2015年12月30日水曜日

今年もありがとうございます!

ブログの更新が進まず、ご迷惑をおかけしています。

あれもこれも、掲載したいことがたくさん有り過ぎて、何から投稿したら良いか分からなくなってしまいました(汗)!!


気がつけば、明日は大晦日!
今日こそは頑張って記事にします。




12月は、朗読ボランティア、忘年会、色々ありました。
ダイジェストで振り返ります!



5日と19日は朗読教室のグループレッスン&忘年会でした。
マンツーマンのときにはできない、群読や役割あてで読んでもらいました。
カラオケタイムやゲリラライブもあって、とっても楽しくあっという間のひとときでした!

新年会は生徒さん同士での初詣のあと、カラオケボックスへ行こうか!と盛り上がりました。
まだ日程は決まっていないのですが、予定が合えば参加したいという方は、ワケイまで連絡くださいね。

2組に分けるじゃんけん。グーチかグッパーかで世代が分かる?!


レッスンのあとはシヲリ特製インドカレーパーリーでした

Hさんは始めたばかりの鍵盤ハーモニカをご披露くださいました

Kちゃんは、唄いた〜い!ということで突如カラオケタイムに!


別の日程の写真は、すっかり撮り忘れてしまいました。ごめんなさい。
参加くださった方々、遠方からもお見えくださり、本当にありがとうございます。


12日は、地元のお友達、麻ひも手芸家のnone先生が、お教室の展示会を開催するにあたり、私を朗読ゲストに呼んでくださいました。
当日は、同じく地元のチェリストの方と、コラボしましたよ。
皆さん、とっても真剣に聴いてくださいました。





素人の方とは思えないキメの細かい作品ばかり。
noneさんの設営も素晴らしかったです。


かぶりつきのお客さま(笑)

新美南吉の「てぶくろをかいに」を読みました

たくさんのお客さまがご来場くださいました

真剣にピアノ弾いてます
撮影はすべてSallam主宰で写真家でもある柴原三貴子さん




音楽と朗読、とっても相性がいいんです。
演じる方も、観覧される方も、両方あるって楽しさ倍増!

来年も一緒にいろんなことやりましょうね!!!


本年は多くの方と素晴らしいご縁で結ばれましたこと、心より感謝申し上げます。
良い年末年始をお迎えください。

来る年も皆さまのご多幸をお祈りしております。




新年は、5日(火)よりレッスン予約を承っております。
http://wakei-shiori.blogspot.jp/2015/12/blog-post_8.html


無料体験レッスンは、勝手ながら本年を以って終了致しました。
何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。







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2015年12月12日土曜日

お正月もステキに声を出してください

朗読・よみきかせ 無料体験レッスンは年内で終了です。
詳しくはこちら→http://wakei-shiori.blogspot.jp/2015/12/blog-post_9.html


皆さま

いよいよ押し詰まってまいりましたね。
年の瀬をいかがお過ごしですか?

私は今年、教室でレッスンを行う他、朗読ボランティアのお声がけして頂いたことが何より嬉しい年でした。

私が「朗読」をお勧めするいちばんの理由。
それは「優劣」がないこと、です。

みんな違って、みんないい。。。そう!まさにそれです!

競争社会のこのご時世で、たったひとつ、誰とも争わない、順位をつけない「何か」を持つことって大切じゃないかしら。

「朗読」「よみきかせ」のできることと言ったらほんの僅かです。
でも、誰も負かしていないところが、私は素晴らしいと思うのです。

今すぐにでも、そこに読み物さえあればできる朗読ですが、しかしながら、正しい発声、届ける声を出すには、ほんの少しの心がけは必要です。

鏡を見ながら口をはっきり開け、喉に負担をかけないよう、姿勢よく声を出してください。

朗読にご興味がある方でしたら、まずは、クリスマス、お正月など、どなたかと集まる機会に、ちょっとだけよそゆきの声で聴かせてあげてもらいたいなと思います。

年末年始に、周りの方とお話がはずみそうな本をご紹介します。
図書館でお手に取ってみてください。





◎名詩の絵本

自身も詩人である川口晴美さんが編纂した詩のオムニバス。
何しろ数が多いですし、新旧、悲喜交々と、バラエティに富んでいます。
きっと気に入る詩がみつかるでしょう。
語りかけるような「まえがき」も好感が持てます。
練習の材料としてもたいへんお勧めの書です。






◎名作はこのように始まる

お国も時代もジャンルも異なるいわゆる「必読書」の冒頭部分が解説とともに収められています。
名作と言われ読み継がれている作品は、物語の書き始めにどのような魔法があるのでしょうか。
ほんの少しご紹介することで、語り種にもなりますし、色々な作品の、それぞれのカラーを読み変えることのトレーニングにもなりますね。







◎23分間の奇跡

今は亡き、かつての東京都知事 青島幸男さんの訳した小作品です。
青島さんは日本のマルチタレントの草分け的な方でした。
テレビではドタバタギャグでお茶の間を賑わせていましたが、一面、しっかりとした筆を執る方でもありました。
実はずいぶん昔、どのような内容か知らずに購入した一冊です。
決してオカルトな内容ではありません。
けれども、背筋がスッと凍るようなお話です。
私たちは、必ず大なり小なりの洗脳を受けています。
教育という名の元に。。。
短編ですが、いちどに朗読すると少し長いので、小分けして読まれてははいかがでしょう。
ちょっと深い話がしたい方にお勧めの一冊です。













◎そらいろのたね
◎吉四六さん

あまりにロングセラーでですから、知らない人の方が少ないでしょう。
けれども、改めて読んでもらうと、また違った感想も生まれるものです。

ーーーー「そらいろのたね」
は、お子さんやお孫さんが何人も集まる席では大ウケまちがいありません。
「うさぎと りすと はとがきました。いのししと たぬきもきました。おとうさんぞうと、おかあさんぞうと、こどものぞうも きました。」
このとき、聴いているお子さんの名前も一緒に呼んであげてください。
「◎◎ちゃんも △△くんも きました」ってね。
お子さんたちは、自分が物語の登場人物になった途端、それは夢中になりますよ。

ーーーー大分 野津の「吉四六さん」
や「ソメコとおに」「ベロ出しチョンマ」のように、とんちばなしや民話という「言い伝え」「伝聞」の形式をとったお話には、忙殺される我々と違い、かつて交通機関のない時代、時間に追われることのない人々が、日がな何ときかを、うわさ話に興じたような、そんなゆったりしたムードで、かつ、語りかけるように読んでみてはいかがでしょう。
「あとがき」も読んで差し上げてください。







◎大きな木

前述で「名作はこのように始まる」をご紹介しましたが、私自身は「あとがき」に惹かれて本を入手することが多いです。
この村上春樹さんのそれは「あとがき名文」という私の勝手に作ったジャンルの中にランクインしています。
なんとも心をくすぐる軽やかなタッチです。

この作品は本田錦一郎(ほんだきんいちろう)さんの訳の方が古くから存在します。
多くの図書館では、どちらも蔵書されているはずです。
翻訳の違いを楽しんでみるのもいいですね。
あらすじは、あえて申しません。
どのように捉えるかは、それぞれの読み手の心境によって異なる作品かと思います。
しみじみ物を語り合いたいようなとき、読んで差し上げてください。













       




2015年12月11日金曜日

応酬話法

朗読・よみきかせ 無料体験レッスンは年内で終了です。
詳しくはこちら→http://wakei-shiori.blogspot.jp/2015/12/blog-post_9.html


朗読教室には広義での「話法」に対するアドバイスを求め、訪れてくださる方々がおられます。

自己紹介の投稿でも記しましたが、私は以前、たいへん専門的な学術書を、それらを必要とする各々の専門職の方たちに電話でご案内する部署に従事していました。
書店には並ばない本でもあり、医学、法学、史学など、その道の方にとっては待ちわびていたような内容の本ですので、んんん万円するにも関わらず、お知らせした途端

「買います!!二冊送ってください」(筆者注:研究費で。。。(笑))

とおっしゃるような著書ばかりでした。

ですから、くどくどしたセールストークは一切と言っていいほど必要なかったのですが、社内の教育として、クロージング(契約)に持ち込む「応酬話法」というものを、一通り学びました。

そのなかには、いわゆる「イエス・バット(Yes,But)話法」といわれる、お客様への返事のコツのようなものもありました。

まあ、こんな感じです。

お客さま「あ〜、今たくさんあるから要らないわ」

セールス「おっしゃる通りです。たくさんあるから今は必要ないですよね。ただ、、ですね、今なら来年の半額の価格ですから、たいへんお得なんですよ」

と、まあ、これはちょっとありきたり過ぎる例ですが、、、、

つまり

相手の発言を最初はまるっきり肯定し、それから、その発想を上回る提案をする。

というようなものでしょうか。

セールスの話法ですから、あくまでも「クロージング」目的です。
相手の購買意欲を巧みに動かそうとしているだけで、そこに「思いやり」がある訳ではありません。

・・・と言っても、なかなかこれ、バカにもできないとも思うのです。

何気ない会話のときも

「えー?何それ〜〜?そうじゃないよ。違うよ」

と、アタマっから否定されるより、

「なるほどーーー。そういう考えもあるのか〜。私はぜんぜんちがうこと考えちゃってた!」

と返されれば

「え?あなたはどんな風に考えてたの?」

と、気持ち良くはずむ会話が成立するように思えるからです。

しかし、これも「会話術」として実行するのみでは、何も生まれることはないでしょう。

お話される方の想いの中に

「気持ち良くお喋りしてほしい」
「どんなことでも忌憚なく話してほしい」
「いろんな考えを聴きたい」

という、お相手の心に寄り添った気持ちが備わっていてこその「表現」です。
うわべの言葉には言霊は宿らないでしょう。

そして、更にもっと大切なことがあります。

不安を抱えている方、悲しい想いをされたばかりの方に向かって

「バット」は決して無用です。

「誰しも悲しみはあるわ」
「そんなこと、たいしたことじゃないじゃない!」とか
「くよくよしてないで元気出して」

などと言う言葉かけ。
つい言いたくなるものですが、本当にお相手を思うのでしたら、まず頷いて聴いて差し上げるだけで充分ですね。

「悲しいわね。つらいわね」

と、ただただ分かち合ってください。


「分かる分かる〜〜!」
これも、イタダケませんね。
分かる訳ないです。
今は心は痛くないのですから。

でも、痛かった時のこと、思い出してほしいのです。
黙って、でも傍にいて、痛みが去るまでそっとしておいて欲しかったのではないでしょうか?

想いを馳せて、想像して、会話をする、相槌を打つ。
丁寧に生きればできるかもしれません。

私も思いやりの欠ける言葉かけをして、相手を傷つけてしまったことがあります。
付け焼き刃で身につける「話術」よりも大切なこと、共に考えてくださいね。





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2015年12月10日木曜日

トラウマ童話

朗読・よみきかせ 無料体験レッスンは年内で終了です。
詳しくはこちら→http://wakei-shiori.blogspot.jp/2015/12/blog-post_9.html



いつだったかイマジカBSで放映されたニッキー・フィーラン監督の

「オ’グリムおばあちゃんの眠れる森の美女」(Granny O’Grimm’s Sleeping Beauty)

これには抱腹絶倒した。
おばあちゃんが(嫌がる)孫の枕元で「眠りの森の美女」を読聞かせる。
おばあちゃんは美麗なるものを嘲笑し、醜悪にオマージュを抱いているようだ。
朗読ではその憑依っぷりがスゴい。
果たしておさな子は今宵も不眠に陥るのだった………。








Granny O'Grimm's Sleeping Beauty 










時折ネットで「こどもの頃に読んでトラウマになった童話」というスレッドが立っていて、
面白おかしく読んでは、そうだった、そうだった、と共感している。
しかしよくよく考えてみれば、こどもは一体、童話(多くは訓話的な意味合いでの)をどのように捉えているのだろう。

私が自分の目で読んだ「文字」で初めて泣かされたのは「マッチ売りの少女」だ。
四歳だったと思う。
そのときの気持ちは今でもはっきり憶えている。
この悲話を、半分くらいはフィクションだろうと感じつつも、単なる荒唐無稽な作りごととも思っていなかった。

私がそのとき触れた訳文がどなたの翻訳だったのかは、まるで思い出せないが、この物語はどの訳者のものであっても、せいぜい十分もあれば完読してしまう短いものだ。
しかし、私には少女のあの、雪降る日の裸足の一晩に至るまでの道程が、永遠にも感ぜられる程長かった。
静止した挿絵のごとく、少女の周辺だけ凍える手足と飢えで時空が止まっているかのようだ。
温かい部屋で絵本を自由に読む自分とはまるで異なる体感をしている少女。
痛ましく可哀想でならない。
誰か何とかしてあげて。
私が行って今すぐ助けてあげたい。

少女の逆境に追い討ちをかける理不尽な要素、例えば靴泥棒……
怒りで頭がおかしくなりそうだった。
涙は憐情と憤りが混じり合い、私はしばし畳の上でのけぞり悶絶びゃく地していたのを記憶している。

まだ殆どこれと言った精神的体験をしていない四歳のこどもが、世に憤懣したり、あの少女に悲哀を以て同情する心までを備えているのは何故なのだろう。


私は自分のことながら不思議に思う。



これもトラウマになるのでは?





パンをふんだ娘 前編






パンをふんだ娘 後編


2015年12月9日水曜日

【重要】無料体験レッスンはもうすぐ終了です

朗読 体験レッスン を ご検討の皆さま


これまで体験レッスンは無料にて承っておりましたが、誠に勝手ながら本サービスは2015年末までと致します。


2016年1月以降

初回 60分 体験レッスン  

1500円


にて承ります。

体験レッスンをご希望の方は、本年中にお越しくださいますようお勧め致します。
何卒ご理解のほど、宜しくお願い申し上げます。








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2015年12月8日火曜日

【文字色修正版】12月レッスンスケジュール 及び年末年始休業について

※前投稿では文字色化けがあるため、修正版をupしました。

12月~1月初旬の 


朗読・よみきかせ レッスン 予約可能日 
を 記します。

※年末年始にはお休みをいただきます。何卒ご了承ください。
※年間を通し、祝日はお休みです。

※時間のご相談(朝早く&夜遅く などなど)には応じることができますので、気軽にお問い合わせくださいませ。



2015年12月


1(火)休み
2(水)休み
3(木)予約できます(空きわずか)
4(金)予約できます(空きわずか)
5(土)親睦会付きグループレッスン(終了)
6(日)休み

7(月)満席
8(火)満席 
9(水)予約できます(空きわずか)
10(木)予約できます(空きわずか)
11(金)休み
12(土)11時より朗読ボランティア出演 
     フラマリオン3階(詳細はワケイシヲリまでお問い合わせください)
     16時以降のみ予約できます





13(日)満席

14(月)予約できます
15(火)満席
16(水)19時以降のみ予約できます
17(木)予約できます(空きわずか)
18(金)14時より朗読ボランティア(ボランティア参加希望者 受け付けています)
19(土)親睦会付きグループレッスン 予約できます(空きわずか)

20(日)午前中のみ予約できます
21(月)15時以降のみ予約できます
22(火)休み
23(水)休み
24(木)予約できます
25(金)予約できます
26(土)休み
27(日)休み

28(月)予約できます
29(火)予約できます

30(水)年末休業
31(木)年末休業



2016年1月

1(金)元旦 休業
2(土)年始休業
3(日)年始休業

4(月)年始休業
5(火)予約できます
6(水)予約できます
7(木)予約できます
8(金)予約できます
9(土)午後より予約できます
10(日)予約できます

11(月)祝 休み














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朗読ボランティアのご報告@おやこ文化祭

ブログ更新がなかなか出来ず申し訳ありません。

11月28日(土)はおやこ文化祭でした。
http://oyakobunkasaiflammarion.jimdo.com/


朗読作品
「ずーっとずっとだいすきだよ」ハンス・ウィルヘルム
「12の贈り物」シャーリーン・コスタンゾ

モニターに絵本のイラストを映し出し、BGMとともに声をお届けしました。
私のブログをご覧になって、地元以外からわざわざお越しくださった方もおいででした。
今年1月のライブでもブログ告知でお知りになった方が見え、それがきっかけでレッスンを継続してくださっています。

皆さま、私の拙いブログをすみずみまでお読みくださり、いつも本当にありがとうございます。













私の朗読のあとは、皆さんにピアノに合わせて発声してもらい、その後「花は咲く」を伴奏つきで群読していただきました。

小さなお子さんが歌をよくご存知で、群読をバックにソロで歌ってくださいました。
そのおかげで、美しさに拍車がかかり、感動的でした。
録音しておきたかったな〜〜




「音楽と一緒だと、読みやすいし、雰囲気つかみやすい」
「まさかこういう展開とは思わずびっくりしたけど、楽しかったです!」
「"届ける声"って、いつも意識してなかったので、発声に対する想いが改まりました」

と、皆さんが口々におっしゃってくださいました。

私も一度に皆さんの声を聴くことができて、たいへん嬉しゅうございました!
また是非とも、こういった機会を設けたいと思っています。












同じ場所で12月12日(土)にお友達の手芸家noneさんのお教室の作品展が開催されます。
その際、間に挟まりまして、大田区在住のチェリスト和泉景子さんと私とのミニコンサートを行います。
入場無料で、どなた様もお聴き頂けます。
小さなお子さまから大人の方にも楽しんで頂ける内容ですので、お誘い合わせの上、お越しくださいませ!



♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪





朗読作品
「てぶくろをかいに」新美南吉

挿入曲
「ユモレスク」ドヴォルザーク
「トロイメライ」シューマン
「愛の挨拶」エルガー

チェロ
和泉景子

朗読・ピアノ
ワケイシヲリ



※朗読ボランティアを希望される方に連絡

次回のくらら西馬込さん(介護付き老人ボーム)でのボランティアは12月18日(金)14:00〜です。

参加希望はワケイまで
roudoku-espressivo311@ezweb.ne.jp
080-5515-0565

2015年12月7日月曜日

12月レッスンスケジュール 及び年末年始休業について

※本投稿の文字色の化け(不自然な色つけ)が修正できません。
修正版のこちら↓をご覧ください。

http://wakei-shiori.blogspot.jp/2015/12/blog-post_8.html

12月〜1月初旬の 


朗読・よみきかせ レッスン 予約可能日 

を 記します。

年末年始にはお休みをいただきます。何卒ご了承ください。
※年間を通し、祝日はお休みです。

時間のご相談(朝早く&夜遅く などなど)には応じることができますので、気軽にお問い合わせくださいませ。


1(火)休み
2(休み
3(予約できます(空きわずか)
4(予約できます(空きわずか)
5()親睦会付きグループレッスン(終了)
6()休

7()満席
8()満席 
9(予約できます(空きわずか)
10(予約できます(空きわずか)
11()休み
12(11時より朗読ボランティア出演 
     フラマリオン3階詳細はワケイシヲリまでお問い合わせください)
     16時以降のみ予約できます





13()満席

14(予約できます
15(満席
16()19時以降のみ予約できます
17(予約できます(空きわずか)
18(14時より朗読ボランティア(ボランティア参加希望者 受け付けています)
19(親睦会付きグループレッスン 予約できます空きわずか)

20(午前中のみ予約できます
21(15時以降のみ予約できます
22(休み
23(休み
24(予約できます
25(予約できます
26(休み
27(休み

28(予約できます
29(予約できます

30()年末休業
31(木)年末休業



2016年1月

1(金)元旦 休業
2(年始休業
3(年始休業

4(年始休業
予約できます
6(予約できます
7(木)予約できます
8(金)予約できます
9(土)午後より予約できます
10(日)予約できます

11(月)祝 休み







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2015年12月4日金曜日

矢口敦子「償い」読後感

今から三十年も前だ。そのとき私は、はたちか二十一だった。
河田町の東京女子医大病院に十日ばかり入院した。
その二週間程前から腹部のどこともなく広い範囲に激痛があり、這うようにして病院を訪ねた。
外来診察を受けると血液検査をし、一週間後に結果が出ますと言われて痛み止めの処方で帰された。
ところが次の晩、四十度以上の熱を出して、二日に渡って激しい嘔吐を数え切れない回数繰り返した。
結果が出る一週間を待たずに再度診察を受けると、医師は今すぐに検査結果を出して来るから待ってて欲しいと言い、そして結果を見ると途端に「すぐ入院してください」と告げた。
「全く異常の原因が分からないのですが、身体のどこかで激しい炎症が起きていることは間違いありません」と言う。
「炎症値が100以上あります。健康な状態では0.1未満です。こんな数値は交通事故で内臓破裂をしているとか、とにかく危篤状態の人に見られるくらいの高い値なんです」
私はあまりの激痛と高熱とで数日間ろくに寝ておらず、待合室でも時々気を失いかけていた。
それでも自分は瀕死の危篤ではないとは感じるのだった。
処置室で痛み止めと解熱剤の点滴を打ってもらい少し気分が良くなると、ナースがやって来て、
「このまま入院していもらいますが、内科の病室がひとつも空いていません。空くまでは小児科病棟のベッドに寝てもらいますが了承してください」
と言う。
最初に通されたのは六人くらいの子供がいる部屋だった。
私の傍らでは小児ぜんそくの発作で運ばれた子が、激しい咳をしていた。
両親が片時も離れず付き添っている。
子供は背中を海老反らせたり丸めたりして内蔵が飛び出てしまいそうなほどむせ返る咳をひっきりなしにしていた。
その痛々しい音と喘鳴は、私をとことん滅入らせた。
とうとうまんじりともせず一夜を明かすと、ナースが今度は別の部屋へ移れと言う。
そこは二人部屋のようだったが、極端に狭い。
恐らく付き添い用の個室なのだろう。
隣の子とのベッドの距離は、丸椅子に人が一人座れるくらいしかない。
この子は脳性麻痺だった。
愛くるしい顔の子だ。しかし強い斜視があり、視線は全く合わない。
お母さんに尋ねると五歳ということだったが、言葉はひとつも発しなかった。
ベッドのサークルにつかまり立ちして、つたい歩きしたりへたり込んだり時々機嫌を悪くしたりしていた。
ただ黙って子供に視線を向けるその母親の心を、若く無知な私に読み取ることなど出来なかった。
彼女の方も、あまり自分たちには触れて欲しくないような様子だった。
私は失礼な言葉だけは発しないようにと、ただ遠慮してかしこまっていた記憶がある。
結局その部屋には半日程居ただけで、午後からはようやく成人の内科病棟に移された。
私がやっとのことで落ち着けた部屋にはベッドは二つあった。
今度はやたらとだだっ広い。
相部屋の女の人は、肌の色が透けるように白くとても痩せた人だった。
物腰がそこらでは見たことがないくらい丁寧で、優しさがすべてから滲み出ていた。
三十五歳だと言うが、肌の美しさを見ると二十代にしか見えなかった。
問わず語りに彼女は話してくれた。
「私は生まれつき脳の血管がどんどん細くなる病気で、これは難病というより奇病なの。まだ手術の成功例があまりないのね。適切な手術をしてくれる病院を探しながら転院をくり返してここにも一年ほど前からいるんだけど、そうしているうちに医療が進歩して手術法も確立することを期待しているの」
「今慌ててやってしまうと、モルモットにされる危険があるのよ」
それを聞いて、蓮っ葉な私といえども、世の中には見て来たものが自分とこうも違う人がいるもんだろうかと神妙に驚いた。
「私は学校の教育を受けたことがないの。ずっと家庭教師に勉強を教わって来たのよ」
「音楽は好き?私はC-C-Bの関口さんの大ファンなの」
そう言って彼女はスクラップブックを見せてくれた。
年上であるのにまるで少女のように世間擦れしていない感じに最初は多いに戸惑った私だが、次第にだんだんとその汚れない無垢な雰囲気を羨ましく思うようになっていった。
彼女は何くれと無く親切にしてくれ「あなたと年の近い人がいるから紹介するわ」と言って、別の部屋で同じく長期入院している女の人を紹介してくれた。
私より五、六歳年上のその人は、彼女のお友達だけあって、また劣らず人懐っこく温和な女性だった。
自分の病状は心臓に穴が空いていて、命には別状ないから医者は手術を勧めないが、私は思い切って手術したい。
風邪をひいたり感染症にかかったりすると健康な人よりずっと治りにくく、そうなると手術ができなくなるから、病院で安全に過ごしてタイミングを待っている、とそう話してくれた。
婚約者がいるのだと言う。でも子供が産めるかどうか分からないから本当に結婚するほうがいいのか悩んでいるとも言っていた。
私は二人を見ていると、自分がどうして入院しているのか分からないくらい元気だった。
そして病院の中を全宇宙として捉えると、自分ほど好運な者も居ないような気がしておかしな優越感まで芽生えて来た。
当初は検査ばかりしていた。炎症の場所を特定するためだが、どんなアプローチでもそれが分からない。
しかし痛みと熱はとっくに消え去っていた。私は早く家に帰りたくて仕方が無かった。
私と同室の人は、出会った二日目から一時帰宅した。
二週間の帰宅というので、たぶんその頃には私は退院しているはずだった。
お別れは少々名残惜しかったが、今のように携帯電話のナンバーやメールアドレスを気軽に交換する時代ではない。
お互いに連絡先などを知ることもなく、そのまま二度と会うことはなかった。

朝の回診は「白い巨塔」さながらの教授行列だった。
教授は私にあれこれ問診し、最後に「しかし元気そうですね」と困惑した表情で言い、首を傾げて部屋を出て行く。
それを身振り手振りを真似て友達に話すと、皆大笑いしていた。
私は退屈に堪え切れず、五日目くらいで退院させて欲しいと懇願した。
だが医師からは「炎症の値が少なくとも一桁になるまでは退院させることはできませんよ」と一笑に付された。
炎症値は日に日に下がってはいった。しかし痛みと高熱の原因はまだ突き止められない。
同室の女性が帰宅してしまったので、私は広い病室でたった一人だった。
日中は友達が大勢訪ねて来たり、親が見舞いに来てくれた。
食事制限も無かったので、あれこれ差し入れを買って来てもらったり、ウォークマンを持って来てだの『そよ風の贈りもの(Whitney Houston)』のCDを買って来てくれだの言いたいことを言って暢気にしていた。
当時喫煙者だった私は、医師からの一日五本という制約付きで煙草も吸っていた。
しかし、夜は寂しかった。
病室は何階か忘れたが、最上階に近くそれは見晴らしが良かった。
大きな窓から見える夜景は美しく、初めて与えられた贅沢のようでもあったが、尿を貯めおくビニールが数多くぶら下がるトイレに夜間一人で入るのは泣きそうなくらい怖かった。

隣の病室がさっきから物々しい。
トイレから出たときちらっと見えていた老婆。
翌朝には病室入口のネームプレートが外されている。
そんな出来事と、入院初日の難病の子達のつぶらな眼差しが重なる。
病院の消灯時間は早い。
日中ブラブラしているので眠れるはずもなく、仕方なしにレンタルしたテレビを観たり、頼みもしないのに父が持って来た古今亭志ん生の落語のCDも、他に聞くものもないので聴くことにした。
昼間は友達や親に軽口を叩いていた。だが私の感受性はこの三日でどこかが変化したようだった。
テレビ放送されていた映画『黄昏 On Golden Pond』でしみじみ泣き、志ん生の子別れや文七元結でさめざめと、そしてそのうち号泣していた。
人情噺とは言え、老人芸だと思って馬鹿にしていた落語で泣くなどとはそれまで思いもしなかった。
ひとりで密室に居るのは堪らないので、薄暗い通路をウロウロしていると、心臓病の彼女がどうした訳か私を見つけて付き合ってくれた。
自販機コーナーのテーブルセットに腰掛け、電気のスイッチも点けずに彼女と他愛ない四方山ばなしをした。
彼女の目下の関心事は彼氏のことだった。
それから、男子校の生徒たちのところで働くのは最初は嫌だったけれど、だんだん打ち解けてきたのよ、という話もしてくれた。
私たちは同級生のように真夜中まで語り合い、医師に見つかって修学旅行の生徒のように「もう寝なさい」と叱られ、くすくす笑った。
今思うと、あの二人の女性のように安らげる話し相手には、それからもう出会っていない。

しかし私は炎症の値が「9」くらいになっていよいよ退院の許可がおりると、もうすっかり病院で見て来たことなど無かったことのようにしてしまった。
病と死という、人が一生の中のどこかで必ず向き合うキーワードを神がせっかく垣間見せてくれたというのに、愚かにもその後の生き方に何一つ反映させることもなく暮らしてしまった。
人生の早いうちから長い時間難題を抱え続けて生きる人が多くいる事実を、私はなおざりにしてしまったのだ。
入院中に出逢った人たちのことは、その後も時々思い出し、時には強く思いを馳せることもあった。
彼女達がその後どうしているのだろうと考えることは、楽しくもあり言い知れぬ恐怖でもあった。
それにしても悔やまれるのは、あんなに優しくしてもらったのに、何故たった一度でもお見舞いに行かなかったのだろう、ということだ。
そんな簡単なことすらしなかった私は、それ以外に何かしたとしても、やることなすこと間違っていた気がする。
行かなくてはならない場所も、親しくするべき人も、全て過って選んだ気がしてならない。
四十を過ぎて母が癌で亡くなった。
間もなく、長く愛した猫を立て続けに二匹亡くした。
泥沼に足を取られたような悶絶の苦しみを話せる友は、そのとき私には一人も居なかった。
この孤独は、あの時もっと深く知れるはずだったことを学ばなかった罰に違いない。









矢口敦子『償い』

近頃なんとなく読み返した。


「性犯罪」「トラウマ」「自殺」「怨恨殺人」「精神疾患」「不倫」「不妊治療」「仕事中毒」「結婚不適合」「夫婦の傷つけ合い」「核家族」「医療過誤」「転落」「ホームレス」と社会を取り巻くいくつもの闇が複雑に交錯し、主人公日高英介の身にひたひたと迫り来る。
私たちは誰しも、まさかこの人物のような宿命が自分に降り掛かるとは思っていない。
しかし必ずどこかに起きている地球の本当の姿であることを実感していたいと思うのだ。

この物語をハッピーエンドとは呼ばないかもしれない。
だが、生かされた者が種々の元に戻せない犠牲を払いながらも「再生」のため何度でも一歩を踏み出さざるを得ない姿は、観る者に現実感のある静かな勇気を与える。
原作の著者である矢口敦子さんのプロフィールには、病気のため小学五年で通学を辞めたとしてある。
著者にはある意味少数者であり弱者であるからこそ見えていた世界観がある。

物語の結末は著者が見た真を以て語られた「生」への誠実なメッセージではないだろうか。




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