2014年7月22日火曜日

河童忌を前に西ヶ原、巣鴨、駒込を歩く

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http://wakei-shiori.blogspot.jp/2015/03/blog-post_6.html




7月24日は芥川龍之介の命日、河童忌である。
私は毎年、盂蘭盆の頃にはきっと彼の墓を訪れる。
龍之介が眠る慈眼寺の近くには、私が子どもの時分暮らした家と、亡き母らの生家とがある。
いずれも今では他人様が住まっているが、故人を偲びながらかつて共に過ごした跡地を巡り、途中、龍之介の墓前でひと休みするのが、いつしか私流の盆の弔いになっている。


 慈眼寺に隣する染井墓地はかつて私の遊び場であり
徒歩で巣鴨などへ行くときの抜け道でもあった



西ヶ原は細い道が多いレトロなところ











低い視線から見る子どもの世界観においては
マンホールも塀の穴までもが興味津々





龍之介の墓前にはいつも蜘蛛の糸が
張り巡っておりなんとも童話的 
  


Golden Batが手向けられている


芥川家の家紋は五七桐




………「およそ文学に於て構造的美観を最も多量に持ち得るものは小説である」と云ふ谷崎氏の言には不服である。どう云ふ文芸も、――僅々きんきん十七字の発句ほつくさへ「構造的美観」を持たないことはない。しかしかう云ふ論法を進めることは谷崎氏の言を曲解するものである。とは言へ「凡そ文学に於て構造的美観を最も多量に持ち得るもの」は小説よりもむしろ戯曲であらう。勿論最も戯曲らしい小説は小説らしい戯曲よりも「構成的美観」を欠いてゐるかも知れない。しかし戯曲は小説よりも大体「構成的美観」に豊かである。――それも亦実は議論上の枝葉に過ぎない。かく小説と云ふ文芸上の形式は「最も」か否かを暫くき、「構成的美観」に富んでゐるであらう。なほ又谷崎氏の言ふやうに「筋の面白さを除外するのは、小説と云ふ形式が持つ特権を捨ててしまふ」と云ふことも考へられるのに違ひない。
………唯「日本の小説に最も欠けてゐるところは、此の構成する力、いろいろ入り組んだ筋を幾何学的に組み立てる才能にある」かどうか、その点は僕は無造作に谷崎氏の議論に賛することは出来ない。………


『文芸的な、余りに文芸的な「二 谷崎潤一郎氏に答ふ」』より抜粋



谷崎潤一郎の墓石越しに見える龍之介の墓の標木


ここには高村光太郎と智恵子が眠る

高村家墓の傍らには烏の喧しい鳴き声を
よそに猫が昼寝中









新庚申塚と西ケ原四丁目の中間

踏切のすぐそばに四谷怪談の
お岩さんが眠る妙行寺

西ヶ原四丁目停留場  
都電荒川線は唯一残っている都電






伊勢屋さんでカレーライスを注文してお店のお姐さま方とお喋りするのも毎年の楽しみ
巣鴨地蔵通り商店街はもうよそ者になってしまった私を今も変わらず温かく迎えてくれる




盆の締めくくりにはいつものように
亡き祖母の好物を求める















今、巣鴨は『江戸六地蔵開眼三百年祭』の催しによりいつも以上に盛り上がっている。




主な文学忌の一覧            Wikipediaより転載



1月2日:夾竹桃忌:檀一雄
1月9日:青々忌:松瀬青々
1月11日:一一一忌:山本有三
1月20日:乙字忌:大須賀乙字
1月21日:久女忌:杉田久女
1月24日:葦平忌:火野葦平
1月26日:寒梅忌:藤沢周平
1月27日:雨情忌:野口雨情
1月29日:草城忌:日野草城
1月31日:氷柱忌:高橋揆一郎
2月1日:碧梧桐忌:河東碧梧桐
2月3日:雪池忌:福澤諭吉
2月6日:句仏忌:大谷句仏
2月8日:節忌:長塚節
2月8日:友二忌:石塚友二
2月12日:菜の花忌:司馬遼太郎
2月14日:周五郎忌:山本周五郎
2月15日:利玄忌:木下利玄
2月15日:孟宗忌:徳永直
2月17日:安吾忌:坂口安吾
2月18日:かの子忌:岡本かの子
2月19日:瓢々忌:尾崎士郎
2月19日:アンドロメダ忌:埴谷雄高
2月20日:鳴雪忌:内藤鳴雪
2月20日:多喜二忌:小林多喜二
2月22日:風生忌:富安風生
2月24日:不器男忌:芝不器男
2月24日:南国忌:直木三十五
2月25日:茂吉忌:斎藤茂吉
2月26日:周遊忌:宮脇俊三
2月26日:朱鳥忌:野見山朱鳥
2月28日:逍遙忌:坪内逍遙
2月29日:三汀忌/海棠忌:久米正雄
3月1日:幻花忌:今官一
3月2日:亡羊忌:村野四郎
3月3日:立子忌:星野立子
3月3日:草堂忌:山口草堂
3月6日:寛忌:菊池寛
3月11日:宋淵忌:中川宋淵
3月12日:菜の花忌:伊東静雄
3月13日:花幻忌:原民喜
3月14日:元麿忌:千家元麿
3月17日:薔薇忌:塩月赳
3月17日:月斗忌:青木月斗
3月21日:九山忌:深田久弥
3月22日:貝殻忌:新美南吉
3月24日:檸檬忌:梶井基次郎
3月26日:犀星忌:室生犀星
3月26日:誓子忌:山口誓子
3月26日:冬柏忌/鉄幹忌:与謝野鉄幹
3月28日:邂逅忌:椎名麟三
3月29日:風信子忌:立原道造
4月1日:三鬼忌/西東忌:西東三鬼
4月2日:連翹忌:高村光太郎
4月5日:達治忌:三好達治
4月7日:放哉忌:尾崎放哉
4月7日:鷹女忌:三橋鷹女
4月8日:虚子忌:高浜虚子
4月13日:啄木忌:石川啄木
4月16日:康成忌:川端康成
4月16日:雄老忌:藤枝静男
4月20日:木蓮忌:内田百閒
4月30日:荷風忌:永井荷風
5月6日:万太郎忌/傘雨忌:久保田万太郎
5月6日:春夫忌:佐藤春夫
5月7日:健吉忌:山本健吉
5月9日:泡鳴忌:岩野泡鳴
5月10日:四迷忌:二葉亭四迷
5月11日:朔太郎忌:萩原朔太郎
5月11日:梶葉忌:梶山季之
5月11日:たかし忌:松本たかし
5月13日:花袋忌:田山花袋
5月16日:透谷忌:北村透谷
5月20日:井泉水忌:荻原井泉水
5月24日:らいてう忌:平塚雷鳥
5月28日:辰雄忌:堀辰雄
5月29日:白桜忌:与謝野晶子
5月29日:多佳子忌:橋本多佳子
5月31日:青峰忌:島田青峰
6月3日:紅緑忌:佐藤紅緑
6月7日:寸心忌:西田幾多郎
6月9日:武郎忌:有島武郎
6月10日:薄桜忌:宇野千代
6月17日:波津女忌:山口波津女
6月19日:桜桃忌:太宰治
6月23日:独歩忌:国木田独歩
6月28日:芙美子忌:林芙美子
6月30日:光晴忌:金子光晴
7月1日:橄欖忌:瀧口修造
7月2日:零余子忌:長谷川零余子
7月2日:風三楼忌:岸風三楼
7月3日:楸邨忌:加藤楸邨
7月8日:重信忌:高柳重信
7月8日:敦忌:安住敦
7月9日:鴎外忌:森鴎外
7月10日:鱒二忌:井伏鱒二
7月13日:艸心忌:吉野秀雄
7月17日:茅舎忌:川端茅舎
7月18日:秋桜子忌:水原秋桜子
7月19日:幻化忌:梅崎春生
7月24日:河童忌:芥川龍之介
7月25日:不死男忌:秋元不死男
7月28日:石榴忌:江戸川乱歩
7月30日:蝸牛忌:幸田露伴
7月30日:左千夫忌:伊藤左千夫
7月30日:谷崎忌/潤一郎忌:谷崎潤一郎
7月30日:弦斎忌:村井弦斎
8月3日:しづの女忌:竹下しづの女
8月4日:夕爾忌:木下夕爾
8月5日:草田男忌:中村草田男
8月8日:國男忌:柳田國男
8月8日:普羅忌:前田普羅
8月11日:千樫忌:古泉千樫
8月13日:水巴忌:渡辺水巴
8月17日:荒磯忌:高見順
8月17日:秋櫻子忌:水原秋櫻子
8月19日:義秀忌:中山義秀
8月21日:林火忌:大野林火
8月21日:辰之助忌:石橋辰之助
8月22日:藤村忌:島崎藤村
8月24日:くちなし忌:中野重治
9月1日:木歩忌:富田木歩
9月1日:夢二忌:竹久夢二
9月3日:迢空忌:折口信夫
9月7日:鏡花忌:泉鏡花
9月7日:英治忌:吉川英治
9月8日:帰雁忌:水上勉
9月10日:みどり女忌:阿部みどり女
9月17日:牧水忌:若山牧水
9月17日:鳳作忌:篠原鳳作
9月17日:鬼城忌:村上鬼城
9月18日:蘆花忌:徳冨蘆花
9月19日:糸瓜忌:正岡子規
9月20日:汀女忌:中村汀女
9月21日:賢治忌:宮澤賢治
9月21日:広津和郎忌:広津和郎
9月22日:かな女忌:長谷川かな女
9月26日:八雲忌:小泉八雲
9月26日:秀野忌:石橋秀野
10月3日:蛇笏忌:飯田蛇笏
10月4日:素十忌:高野素十
10月10日:素逝忌:長谷川素逝
10月11日:一草忌:種田山頭火
10月12日:芭蕉忌/時雨忌/桃青忌/翁忌:松尾芭蕉
10月21日:直哉忌:志賀直哉
10月26日:茶の花忌:八木重吉
10月26日:年尾忌:高濱年尾
10月27日:源義忌:角川源義
10月30日:紅葉忌:尾崎紅葉
11月2日:白秋忌:北原白秋
11月6日:含羞忌:石川桂郎
11月6日:花蓑忌:鈴木花蓑
11月9日:風祭忌:八木義徳
11月11日:亜浪忌:臼田亜浪
11月18日:秋声忌:徳田秋声
11月19日:勇忌:吉井勇
11月20日:長長忌:小熊秀雄
11月21日:八一忌:會津八一
11月21日:惜命忌/波郷忌:石田波郷
11月23日:一葉忌:樋口一葉
11月25日:憂国忌:三島由紀夫
12月8日:暮鳥忌:山村暮鳥
12月8日:文明忌:土屋文明
12月9日:漱石忌:夏目漱石
12月10日:黒鳥忌:中井英夫
12月13日:瓠堂忌:安岡正篤
12月15日:青邨忌:山口青邨
12月20日:石鼎忌:原石鼎
12月22日:青畝忌:阿波野青畝
12月27日:夕焼忌:椋鳩十
12月30日:横光忌:横光利一
12月30日:ホシヅル忌:星新一
12月31日:寅彦忌:寺田寅彦
12月31日:一碧楼忌:中塚一碧楼



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